男はあたしの左隣に座る。
それだけならいいけれど、何故か含み笑いをしながら、こちらをニコニコしながら見てくる。
(……なんなの、この人…。感じ悪い…)
男の方は決して見ずに、ひたすら雪さんを待つ。
すると、男の方から口を開いてきた。
「ねぇ、君ってさ、さっき一番隊の沖田総司といたよね?」
さっきまでのやり取りを見ていたのか、そう訊ねられる。
…きっと、さっきまで沖田さんが大爆笑なんてするから目立っちゃったんだわ。
「……確かに一緒にいましたが…それが何か?」
「否定しないんだね」
「………そんな事しても、メリットなんてないですから」
「めりっと?」
…あ、メリットなんて言っちゃ駄目じゃん。
ま、でもすぐに忘れる、か。
あたしは焦る事なく、返答していく。
「……特なんてない、って事です」
「へぇ、そういう意味なんだ?覚えとこう」
…本当、何なのこの人。
気味が悪いし、何考えてるか全くわからない。

