Give Me Smile―新撰組と氷姫―






沖田さんと半ば一方的に別れ、スタスタと少し早歩きで歩いていく。


早く行かないと。

また疑われたりでもしたら、面倒だし…。


「……あ…」


ふと、沖田さんがお茶とお菓子を持っていたことを思い出す。


…土方さん、どうせ山のように仕事が溜まっているんだし…お茶くらい、持っていってあげた方がいいかしら。


だけど、お茶持ってこい、だなんて一言も言われていない。


うーん、と悩みながら少しゆっくりと歩いていると、前の障子がスッと開き…。



「………神崎か」


「……斎藤さん」



斎藤さんが、心なしか驚いたような表情をしていた。


そういえば、斎藤さんに会うのは久しぶりだ。

未来の話をして以来、あたしが風邪をひいたから全然会っていなかったんだっけ。


あたしは斎藤さんにペコリと会釈すると、スタスタと通り過ぎる。


遅くなっているし、やっぱりお茶くらい持っていこう。

なんて考えながら歩いていると、後ろで一定の間隔を開けながら、斎藤さんも歩いてくる。


進む先、途中まで一緒なのかしら?