Give Me Smile―新撰組と氷姫―






まあ、もういいか。

この人に何を言っても無駄だし。


何より、あたしの疲れが貯まっていくだけだろう。



「……では、失礼します」



そう考えたあたしは、お菓子なんかより土方さんの話とやらのが重要だと感じたから、その場でペコリと頭を下げる。


お菓子よりも、話。

土方さん、一時間以上も待たせちゃってるしね。



「え、行ってしまうんですか?」


「…はい。呼ばれていますから」



沖田さんは、あたしが本気で来ると思っていたのか、ガクリとうなだれる。


…もういいかしら。

沖田さん、近藤さんと食べるんだから、別にいいと思うんだけど…。


そう思いつつ、土方さんの部屋へ向かって歩いていると、沖田さんが。



「話、終わったら一緒にお茶しましょうね!」


あたしを、お茶に誘った。


「……」



後ろを振り返って「結構です」、と言えば良かったけど、なんとなく言うのを止めておいた。