Give Me Smile―新撰組と氷姫―






誰にも気付かれないくらいの、小さなため息を溢す。


空気、読んでよ。

土方さん、眉間にちょっと皺が入っちゃったじゃない。



「ごめんなぁ。さっ、洗濯の続きしよか!」


「……ええ」



水を汲んできた雪さんを見ながら、チラリと土方さんを見てみる。


話、なんだったのかしら。

土方さん、雪さんを見ながら…なんだか険しい表情を続けているけれど。



「よーし。今度こそは失敗せぇへんよっ。千春ちゃん、見ててなぁ!」


「……神崎、洗濯が終わったら俺の部屋へ来てくれ」


ニコニコと笑う雪さんと、今にもため息を吐きそうな土方さん。


「………はい」


二人ともほぼ同時に話し掛けてくるから、返事に詰まってしまった。


…なんか、振り回されている感じで…なんとなく嫌。



「あはははっ!千春ちゃん、見て見て♪泡いっぱいやで〜っ」


「……真面目にして下さい」



子供のように遊ぶ雪さんを見て、呆れてまたため息が出た。


なんか…雪さんって、見た目18歳くらいに見えるのに、口を開けばあたしと同い年くらいに見える。



そして…。


「千春ちゃーんっ」


何故かわからないけれど、千香…妹と重なって見えるんだ。