Give Me Smile―新撰組と氷姫―






「あ、俺も洗濯手伝ってやるよ!」


「いえ、結構です」


やめて。それはあたしの仕事。


藤堂さんはニコニコしながら、洗濯物に手を伸ばそうとする。

だけど、後ろから聞こえた声に、ピタリと藤堂さんの動きは止まった。



「おい、平助。てめぇ、こんなところで何くつろいでんだ」


「げ、土方さんだ」


後ろから響いた声は、鬼の副長である土方さんの声。

威圧感のある声だけど、毎日聞いているせいか…なんとも思わなくなっている。



「お前は剣の稽古の時間だろうが。さっさと行かねぇと時間倍にすんぞ?」


「うわっ、それは勘弁だってー」



土方さんから鬼のような脅しを聞いた途端、藤堂さんは小走りで道場に向かった。


…なんか、藤堂さんって単純だな。



「おい、神崎…」


「千春ちゃ〜ん!水汲んできたで〜っ!!」


「………」



土方さんの言葉が途切れ、気まずい雰囲気が流れる。


雪さん、タイミング悪すぎ…。