ああ、面倒くさい。
大きなため息を溢すと、あたしは雪さんに駆け寄る。
雪さんが来てからは、あたしの仕事が二倍には増えたような気がするのは…気のせいではないはず。
「千春ちゃん…」
近寄って、雪さんの分の桶の中を見てみると、中に入っているのは大量の着物と…石鹸だけ。
この人…馬鹿なの?
ああ、なんだか頭が痛くなってきた。
「…だから、洗濯は水が無いと出来ない、って昨日も言ったでしょう」
「あっ、そうやった!うち、水汲んでなかったわ」
「ありがと、千春ちゃんっ」…とそう言って、雪さんは笑顔で井戸の方へ走っていく。
チラリ、と視界に入ったのは…あと少ししか残っていない自分の分の洗濯物。
……また、雪さんの分の洗濯も手伝うのか…。
「……はあ…」
わざとなのか、天然なのか。
どっちでもいいけど、負担を増やさないでほしい。

