心の中で盛大なため息を吐いていると、土方さんが口を開いた。
「おい、何やってんだ。置いてくぞ」
「……はい」
またくるりと向いてスタスタと歩く土方さんを追いかける。
(………あれ…?)
何故かすぐに追いついてしまい、理由がわかる。
(……スピード、落としてくれたのかしら)
土方さんの不器用で遠回りな優しさに感謝しつつ、胸の辺りがぽかぽかとした。
土方さんの部屋に向かって歩いている最中、運悪く沖田さんにばったり会ってしまった。
「あーっ!!千春さんっ!寝てなきゃダメじゃないですか」
「………大丈夫ですから」
風邪をひいてから、何度めかわからないやりとりをするのは結構面倒くさいもので。
あたしはまた心の中で盛大にため息を吐いた。

