恥ずかしいけれど、着物の裾を踏んでしまった。
何やってんの、あたし…!
「あっ……」
馴れない浮遊感と共に、あたしはギュッと目を瞑った。
…それなのにくるはずであろう衝撃が来ないのに不思議に思い、目を開けると…。
「─…っぶねぇ…」
「…………え…?」
目を開けると、そこには土方さんがいつもより近く見えて…。
え、近く…?
「…!?す、すいません…っ」
抱きとめられていたことに今更気付き、慌てて離れる。
…初めて男の人の腕に抱かれた…。
「…お前って案外トロいんだな」
「……た、たまたまですから」
土方さんはなんてことない顔してる。
それがどうした、みたいな。
…裾を踏んだことよりも、こっちのが恥ずかしい。

