沖田さんは懐から出した手拭いで、口元を軽く拭いている。
それから、妙なことを言い出した。
「少し顔か赤いような気がするんですが…。風邪でもひきました?」
「え……?」
そんなことは無い、と額に手を持っていけば、ほんのり暖かい。
だけど、このくらいの熱ならば、一晩寝たら治るだろう。
「……大丈夫です」
「そうですか?…それなら、いいんですけど…」
言葉を濁す沖田さんを見て、自分の中に複雑な思いが交差する。
(本当は、あたしのことなんて…どうでもいいくせに…)
(でも…最近、お祖母様のような暖かさを感じるのは…気のせいなの?)
わからない。
わからないよ、お祖母様…。

