「う~ん…」



デニムのジャケットに、アジアテックなワンピースを合わせて、髪をお団子にする。



自分では結構ゆっくりめに準備したつもりが、時計は一向に進んでいない。


まだ…6時すぎか…。


とりあえず、リビングに降りて朝食を食べよう。



「あら、早いじゃないの」



お母さんはちょうど、お父さんのお弁当を作っているところで、あまった具を皿に盛ると、


「今日の朝ごはん、これ食べて?」


「分かった」


お母さんは今ダイエットにハマっているらしく、土日は朝ごはんを抜いてサプリメントで済ませるらしい。


「今日おしゃれしてるわね?デート?」

変な含み笑いをしてお母さんは言う。


「そっそんなんじゃないよ!ユカと遊ぶの!」


「ふぅーん。そーお。へぇー」


絶対お母さん信じてない!


「さぁて、報告ついでにお父さん起こさないと」


そう言って、エプロンをほどきながらお母さんは寝室に駆けていった。