「あなた、こんな夜更けに
 大声出さないで下さい

 イチヤ、ショウちゃん
 こちらにいらっしゃい

 おじいちゃんに、顔を
 見せてあげて」

母の瞳は赤く、瞼が腫れ
あがっていた。

一夜は、母に呼ばれるがまま
ろうそくと線香がたやさず
焚かれた、祖父の部屋へと
ズカズカと入って行く。

ざわつく、一族の前を横切り
一夜は、御棺を覗き込み
祖父の死顔をみつめる。

眠ってるだけだろう・・・

起きんじゃねえの?

「ジジイ、起きろよ
 
 ほらっ
 来てやったぜ」