「・・・
 医者の男の勧めで
 健康診断なんて受けなきゃ
 よかったわ

 ほんと、大げさなのよ 
 お店をやめろだなんて
 言い出す始末で・・・
  
 無理だって言うのよ

 私は、これしかやってこな
 かった人間なのよ

 今更、この年で他にどんな
 仕事ができるって言うの
 ・・・」

ママは悩んでいるようだった。

「ママ?」

「あら、やだわ
 私ったら、愚痴ちゃって・・
 おいしいお酒がまずく
 なっちゃう

 カヤちゃん
 心配しなくていいのよ

 店は、畳まない
 この店を畳む時は
 私が死んだ時・・・」

「・・・・・・」

「この話は、お終い
 
 それよりも、ショウさん
 いったいどうしたのかしら?

 カヤちゃん、彼と何の連絡も
 とっていないの、貴方達
 恋人同士なんでしょう?」