「あ!あったあった!ありました!」
やっと見つけたお弁当箱を親分に渡す。
「いいじゃねえか」
「へへっ」
「よし!学校始まったらコレに飯詰めてやるからな!」
そう言って親分はあたしの頭を荒っぽくガシガシと撫でた。
「嬢ちゃんも手ぇ洗って、食卓に着いてろな。今飯持ってってやるから」
「はい!」
親分ってたまに怖いけど、基本優しいんだよなぁ。
……“お父さん”ってこんな感じなのかな、なんてちょっと思ったりしてみた。
お弁当楽しみだな!
「あ。おい」
親分は立ち去ろうとしていた身体を再びあたしに向ける。
「へ?」
「それ。10秒で片付けろ」
足元には今日買ってきたばかりのおニューなあたしの日用品がごっちゃァと広がっている。
――そんなムチャな!!


