海里くんは終始つまんなそうにあたしの3歩後ろをついて来る。
なんか焦ってきた。
あたしの買い物にいつまでも付き合わせてたら悪い気がしてきた。
だって海里くん自分の買い物1つもしないんだもん。
あたしの行きたい所ばっかり行ってるんだもん。
本当はもっとゆっくり見たいけど。
でも今日はやめておこう。
「海里くん、そろそろ帰ろうか」
「もういいの?」
「うん。とりあえず今日はこんなもんでいいや」
「そ。じゃあ帰ろうか」
海里くんはつまんなそうだったけど、1度も文句を言わなかった。
いつも気だるそうで、何考えてるかもよく分かんないけど。
今日一緒に買い物に来て分かった事がある。
海里くんは優しい人なのかもしれない。


