そんなあたしに海里くんの怪訝な顔が向けられる。
「…なに?」
「ううん!なんでもない!どれ?見せて!」
平静を装ってそう言ってから、あたしは海里くんの持っていたお弁当箱を引ったくった。
……引ったくった。
うわ!やってしまった!
これじゃ動揺してるのがバレバレじゃないか!
海里くんを見ればさっきよりも怪訝さをまして、眉間にシワがよってる。
「コレいいよ!可愛い!」
「見てないじゃん」
「見てるよ!星柄だ!!」
あたしは改めて海里くんが選んでくれたお弁当箱をちゃんと見た。
それは二段の横に長い楕円形のお弁当箱で、全体的に黄色くてフタは白にカラフルな星が書かれていた。


