「じゃあ海里くんはどういうのがいいと思う?」
「え、俺?」
「うん」
だってあたしの中でのお弁当箱のイメージは完全にアルミだもん。
アルミじゃないとしたらどれがいいのか、さっぱり分からない。
「そうだな…」
海里くんは腕を組んで「うーん」と唸る。
真剣に悩んでくれてるみたい。
いつも気だるそうに見えるけど、こういう時はちゃんと考えてくれるんだね。
そんなちょっと前傾姿勢の海里くんの後頭部を見つめて、あたしはにやけた顔を隠せなかった。
ふと気がつくと近くにいた女の子グループの視線を感じた。
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