リビングには海里くんがティーカップ片手にテレビを見ていた。


「…お、おはよう」


あたしがそう言うと、海里くんはこっちに顔を向けて目を細める。


「遅い」

「はい。分かってます。ごめんなさい」

「昼飯食ったら出掛ける」

「あ、うん。いってらっしゃい」


あたしはどうしよう。

部屋にこもって宿題でもしようかな。


「あんたも行くんだよ」

「へ?」

「親父に頼まれた。あんたの買い物付き合ってやれって」

「買い物?」

「日用品とか。いらないなら別にいい」


そうだ!

そういえば色々足りない物があるんだよね。