「あたしお弁当箱持ってない…」 「え?マジ!?」 陽くんが信じられないという顔で見てくる。 「持ってねえだと?」 「へ?」 親分からドスの利いた低い声が響いた。 「ふざけてんのか、あ?」 やっぱり親分は怖い! 何でお弁当箱持ってないってだけでこんな怒られなきゃいけないんだ。 今なら泣ける!3秒で泣ける! 「い、いや!ふざけてなんか――」 「駿河さん。潤が怖がってる」 そこでも助け舟を出してくれたのはやっぱり陽くんだった。