だけどそんなあたしの思いとは裏腹に、親分はその目尻にシワを作って笑った。 「威勢のいい嬢ちゃんだな!宜しくな!」 「あ、はい!」 ――なんだ。 怖くないじゃん。 親分の笑顔1つで印象もガラッと反転。 “優しい親分”だ。 「嬢ちゃんよ」 「は、はい!」 「あとで弁当箱持って来いな」 「弁当箱?」 「学校に弁当持たせてやるからよ」 うそ!嬉しい! あたし今までお昼はパンとかおにぎりとか買ってたから、お弁当って持ってった事ないんだよね。 ……あ。