「話しかけても大丈夫かな?」 だって挨拶しないと。 めちゃめちゃ怖いけど、めちゃめちゃ話しかけたくないけど。 これからしばらくお世話になるんだから挨拶しないと。 「うん。大丈夫だよ」 そっか、良かった。 待って。ちょっと待ってね。 深呼吸してから――。 「駿河さん!今ちょっといい?」 おぉ!待ってよ陽くん! 心の準備がまだだよ! 「なんだ?」 親分は手元から視線を上げて、入り口にいるあたし達を見た。 その目力はさっきの颯先輩以上だ。 上には上がいるもんだ。