“親父!!”と言っていた時点で理事長か校長先生のどちらかの息子なんだろうとは思った。
結果は理事長の息子。
…でも待って。
どうして今あたしに紹介したの?
いくら鈍いあたしだって薄々気づく。
「こちら小柴潤さん。色々事情があって住む所に困っていたからうちで暮らす事になったんだよ」
「うち!?」
「何か問題あるかい?」
「いや!問題も何も男ばっかのうちに女の子が暮らすのはまずくない!?」
ほら、これでハッキリした。
「他にいい案がないんだよ。小柴さんも了承済みだ」
「え!?そうなの?」
陽くんの視線があたしに向けられる。


