「陽(ヨウ)。ノックをしてから開けなさいと言ってるでしょう」


そう言いながら理事長は、あたしの腕を掴んで立ち上がらせてくれた。

あまりに自然な流れにあたしはいつの間にか立ってて、慌ててお礼を言った。


「あっ、ごめん。忘れてた」


陽と呼ばれたその男の子も一緒に立ち上がる。


「ちょうどいい。小柴さん紹介します。息子の陽です」


理事長の息子!?

あの噂の!


「?飛鷹陽です」


陽くんは何で自分が紹介されたのか分からないと言う顔で、だけどしっかり自己紹介してくれた。