「俺!?俺だよね!?マジでごめん!」
頭のすぐ近くでする声はさっき“親父!!”と言った声と同じ。
たぶん彼もあたしの前で同じようにしゃがんでる。
おでこを押さえながら顔を上げると、目の前に可愛い顔した男の子がいた。
歳はたぶんあたしと同じくらいか下だと思う。
髪は落ち着いた茶色で、全体的に短くて前髪も眉毛の上。
可愛い女の子みたいな顔の彼には凄く似合っていた。
「ちょっと見せて!」
「へ!?」
あたしの手をどけると男の子はおでこを覗き込んで来る。
「げっ!」
「げ?」
「本っ当ごめん!赤く線になってる」
「うそ!」
「ごめんなー」
そう言って男の子はあたしのおでこを撫で始めた。
あたしの頬がポッと赤くなるのが分かる。


