「潤ちゃん行っちゃうのー?」

「あ、そうみたいです。お邪魔しました」

「またなー!」


そのまま引きずられるように颯先輩の部屋を後にした。


やっと出られた。

助かった。


すると後頭部をペシンと叩かれた。


「イタッ!」

「なにやってんの」


犯人は間違いなく海里くん。

あたしの後頭部を叩いた海里くんは、呆れた顔をしていた。


「叩くことないじゃん」

「そんなに強く叩いてない」


いや、痛かった!

軽くとはいえ、痛かったわ!


「でも海里くん何のようであの部屋来たの?」

「潤だよ」

「ん?あたし?あたしに用事?てかあたしがあそこにいるってよくわかったね」

「颯からメール来たから」

「え?」

「だからあの部屋から連れ出したの。そういう用事」


颯先輩が?

あたしを助けてくれたの?