布団から上半身を起こして大声を出した先輩は、頭を痛そうに押さえた。
嗚呼、頭痛がするんですね、颯先輩。
すると颯先輩は頭を押さえながらあたしをジロリ睨み付けた。
「いつまでいんだよ」
「あ……」
やっぱりそうですよね。
あたしお邪魔ですよね。
あたしも今そう思ってたところですよ。
いいタイミング!と思ったその時だった─────。
「おい颯ー。潤ちゃんを苛めるなよー」
だらけた様な、タケル先輩の声がした。
「あ?」
颯先輩がちょっとイラっとした声を出した。
「可哀想だろー?」
「あ、いや……」
あたしは慌てて否定した。
全然!全然可哀想じゃないから!
むしろここにいるほうが可哀想だから!
「そうだぞ、潤!出てくことないからな!」
もう一人の先輩もあたしを引き留める。
…タケル先輩の抱えてるお菓子の袋を狙いながら。
何であたしを引き留めるの?
あたしここでどうすればいいの!?


