あたしはベットの脇に体育座りをして、颯先輩の部屋を見渡した。
テレビとミュージックプレーヤーとローテーブル。
家具は黒で統一されていた。
雑誌は適当に隅に固められてて、CDも沢山積み上がってる。
あたしの部屋とはまるで違う。
そういえばこの家で誰かの部屋に入ったのは、颯先輩の部屋が初めてだ。
「……おまえ」
「はい?」
布団に潜った颯先輩が話しかけてくるなんて思ってもなくて、マヌケな声が出た。
「いつまでウチにいるんだよ」
「え…」
「家族でもねェ奴がいつまでも入り浸ってんじゃねェよ」
「……ごめんなさい」
「ウチん中に女がいたんじゃ動き辛くて仕方ねェ」
「……ごめんなさい」
颯先輩はそんな風にあたしのこと思ってたんだ。
まあ、颯先輩の態度からしてあたしのこと気に入らないんだろうなとは思ってたけど。
実際颯先輩の口から聞くとショックだな。


