靴を脱いでしゃがんで揃えていたその時だった。
後ろで何かが倒れた音がしたのは。
「なに!?」
慌てて振り返るとそこには廊下で倒れている颯先輩の姿があった。
「颯先輩!!」
急いで駆け寄れば颯先輩の意識は朦朧としてる。
よく見れば顔も赤いし、冷や汗が浮かんでる。
おでこに手を当てれば案の定熱かった。
熱があるんだ!
どうしよう!
颯先輩の様子からは歩けそうにないのは明らかで。
だけどあたしが颯先輩を担いで部屋まで運ぶなんて、そんな怪力はない。
かといってこんなところで寝かせとく訳にもいかないし。
そうだ!親分だ!
「ちょっと待っててください!今駿河さん呼んで来ますから!」
返事はなかったけど、あたしは厨房へと急いだ。


