動き出した海里くんはゲームを再開した。

何が何でもゲームがしたいらしい。



「……で、何で怒ってんの?」


海里くんはゲームをしながらもあたしの話を聞いてくれるみたいだ。

いや、本当ならゲームをやめて真剣に聞いてほしいけどね?

この際文句は言うまい。



「海里くん、あたしがここに住まわせてもらってること誰かに言ったんだって!?」


あたしは二人掛け用のソファに回り込んで座った。


「げ。まじ?」


陽くんもあたしの隣に座る。


「言った」


海里くんはなんとも飄々(ヒョウヒョウ)とした態度で言ってのけた。

まさかコイツ…、“ポロッと”なんてもんじゃなく“ケロッと”言ったな!

なんの悪気もなくケロッと言ったな!


「何で言うの!?言わないでって言ったじゃん!」

「言わないとは言ってない」

「はあ?」

「海里、それは俺もどうかと思う」


陽くん!

もっと言って!