「意外…」
「うん」
未玖の意見にあたしも賛同した。
「でも一緒に住んでるなら分かると思うけど、あの家軽く家庭崩壊してんじゃん?」
「あー…、言われてみればそうかも」
“家庭崩壊”か。
うん。
一見なんの問題もないように見えるけど、実は色々ある。
「そうなの?」
飛鷹家の事情を知らない未玖なら当然の反応。
あたしは未玖に説明してあげた。
「まずお母さんが旅行癖があってなかなか家に帰ってこないらしいの」
「そうなんだ。初耳」
「あたしもまだ会った事ない」
「俺も数えるくらいしか会った事ない」
「それから次男もほぼ家に帰ってこない」
「謎の次男?」
「うん。この間1回だけ会ったけど、なんか怖い人だった」
あたしはあの夜の事を思い出した。
樹さんは雰囲気がなんだか怖い。


