「内緒にしてね?」
「ん?」
あたしは海里くんを見た。
海里くんと海里くんを囲っている女の子達は、近くの湖を柵に寄りかかりながら眺めていた。
海里くんはぼーっと湖を眺めてる。
天気がいいから太陽の光が湖の水に反射してキラキラ光っていた。
「あぁ。原因はアレか。確かにバレたら厄介だな」
豪くんは納得した声を出した。
「お願いね」
「オッケー」
「先生も!」
「ん?俺?」
「やっぱり“潤ちゃん”は止めてください。学校では“小柴さん”って呼んでください」
「分かりました“小柴さん”」
大河さんは冗談っぽくあたしを“小柴さん”と呼んだ。
あたしは真剣に言ってるのに!
「次のチェックポイント行くよー」
未玖はいつの間にかスタンプを押していて、あたし達は大河さんに別れを告げて次に進んだ。


