「あ、えーと…」
どうしよう。
なんて言ったらいいんだろう。
「あんた、口固い?」
そう言ったのは今まで蚊帳の外にいた未玖だった。
「え?なに?」
豪くんは驚いたような声を出す。
「え?未玖、言うの?」
あたしは未玖の服を摘んで引っ張った。
「大丈夫だよ、こいつは。ね、先生?」
「うん」
大河さんは笑顔を向けた。
「なんだよ?」
「潤はあの家、住んでんの」
「え!?」
豪くんは驚いた顔をあたしに向けた。
だからあたしは簡単に経緯を豪くんに話した。
「そういう事」
「あぁ!だから海里の奴、同じ班に誘ったのか!」
「そういう事…」
「そっかそっか」と豪くんは納得したみたい。


