豪くんの手招きに引き寄せられて、あたし達3人は顔を近付ける。
「あんま言いふらすなよ?」
「分かったから、何?」
「海里って彼女作んねェじゃん?」
「うん」
確かに海里くんが彼女いるなんて聞いたことない。
「なんでか知ってる?」
「知らない。何で?」
未玖は豪くんの答えを急かす。
「アイツ、女信用出来ねェんだよ」
「は?」
「へ?」
「ん?」
頭の上にハテナが浮かぶ。
なんでか豪くんもあたし達と同じ顔をした。
「信用出来ない?」
そう切り返したのは未玖。
「そ。理由まではよく知らねェけど、らしいよ?だからアイツも大変なんだよ」
信用出来ないってどういう事だろう。
海里くんにそんな違和感を感じた事は今までない。


