白樺の遊歩道を団体がぞろぞろと動く。
あたしと未玖はその先頭を歩いていた。
「そうかもしれないけど。あれだけ潤に危機感持たせたのに、アッチから近付いて来られたら意味ないし」
「ははっ」
もう乾いた笑いしか出ない。
海里くんに“一緒に班になろう”と言われた日から、あたしは海里くんファンのコ達から鋭い視線を送られる。
どうもアレで敵視されてしまったらしい。
気を付けてたのに…。
海里くんのぶぁーか!
「そんで結果、あの状態でしょ?潤の声かけられ損だよ」
「ねー」
「1回ヤツをぶん殴っとこうか」
「いやいやいやいや。意味分かんないし!」
危ないよ。
発想が危ない。
「なーんの話?」
突然あたしの隣に現れたのは、豪くん。


