―――そんなこんなありまして遠足当日、スタンプラリーを班行動している訳です。
「でもさ」
隣を歩く未玖が訝しげな顔を後ろにチラチラ向けながら言った。
あたしはスタンプラリーの地図を見ていた目を未玖に向ける。
「なに?」
「彼はあたし達と同じ班になった意味はあるのかね?」
その言葉にあたしも後ろの様子を窺った。
すかさずあたしに後ろにいるコ達数人の鋭い視線が刺さる。
痛いっ。
あたしは瞬時に顔を前に戻した。
「でも…。あれはたぶん海里くんの意思じゃないし…」
後ろを気だるげに歩く海里くんの周りには、海里くんファンがウジャウジャ。
スタンプラリーは班行動だから、そのファンの女の子達と同じ班の男子達も後ろに付いて来たり、来てなかったり。
まあ、とりあえず…。
凄い団体行動になってるって事だ。


