部屋の扉を開ければそこは真っ暗闇。
シーン…と静けさが広がってる。
みんなもう寝たのかな?
もしかして起きてるのあたしだけ!?
もうイヤだー!
あたしだって寝たいよー!
この時間に廊下の電気を点けるのは気が引けて、あたしはケータイの液晶の明かりを頼りに親分のいない厨房へと足を進めた。
春とはいえ夜はまだ寒い。
あたしはさっきまで膝に掛けていたモッコモコの膝掛けを、肩から被って身体を包み込むように胸の前でギュッと合わせた。
玄関の前を横切ろうとしたその時――――。
玄関の鍵が外側からカチャリと回された。
突然の出来事にあたしはビックリして肩が震えた。
なに!?誰!?