「え!?待って!もうちょっと待って!これ倒すまで待って!」
「いや…。いいよ、それくらい待つよ」
陽くんが必死に言うから、あたしの勢いが消え失せた。
ゲームを覗くとゴリラみたいなモンスターが怒り狂ってた。
超怖い。
―――――数分後、ゲームを一旦止めてくれた2人と対峙する。
いや…、そんなに見つめられると照れる。
「それで、どうしたんだよ?」
今気付いたけど、陽くんとの距離が結構近い。
さっきまでは陽くんがゲームに熱中してて気付かなかったけど、こうして目が合うと近い。
“くりっくりの目でそんなに見ないで!”って思う。
「あのね?お2人に頼みたい事があるんだ」
「頼みたい事?」
海里くんはゲーム機を持ったまま、一人掛けのソファに背中を預けてドデーンと座りながらあたしを見た。


