教卓に名簿を置いて、クラスを見渡した“先生”。
あたしは未だ状況が理解出来ていなかった。
そんなあたしと目があった“先生”は、ニコッと笑った。
何でだろう?
何で…――――大河さんがいるの?
「はじめまして。今日からこのクラスの担任の飛鷹大河です。宜しく」
あたしの席より右斜め前の方の席にいる海里くんを見ると、片肘をついて気だるそうに大河さんを見ていた。
別段驚いてる様子は見受けられない。
知ってたのかな?
てか大河さんって高校の先生だったの?
でも去年まではいなかった筈。
いくら疎いあたしだって、いるかいないかくらいは分かる。
新任先生って事だ。


