そうこうしている内にあたし達は教室に着いた。
2年6組。
ここが今日からあたし達の教室だ。
教室内は見慣れないクラスメートで賑わっていた。
その中でも一際賑わっているその中心には、海里くんが気だるそうに椅子に座ってた。
海里くんの周りにはさっき海里くんと一緒にいた女の子達もいた。
さっきクラス違うって言ってたのに。
そうか。
あれがいわゆる“熱狂的ファン”だな。
と、あたしは勝手に確信した。
他にも教室を見渡せば、あの輪の中に入っていなくても海里くんをチラチラ見て気にしてる女の子はたくさんいる。
するとわたしが教室内に入ったのとほぼ同時に予鈴が鳴った。
「潤」
「ん?」
未玖がわたしの肩をポンと叩く。
「バレないように気を付けて」
「分かった」
そしてそのままわたし達は自分の席の方へと別れた。


