すいません、すいませんと人だかりを掻き分けて最後尾に出ると海里くんがやっぱり気だるそうに立っていた。
でもそこには海里くんだけじゃなくて、3、4人の女子に囲まれていた。
その中の1人が海里くんの腕を掴みながら口を開く。
「海里6組だったよー」
「そっか」
掴まれた腕を気にする事なく、海里くんはしれっと言った。
…あれ?あたしの使命は?
「あたし達誰も海里と同じクラスじゃないんだよー」
「あー、それは残念」
本当にそう思ってるのかどうなのか分からない、ほとんど棒読みで感情の籠もっていない言葉を吐き出す。
それに気付いていないのか、気付いていて気付いていないフリをしてるのかは分からないけど、女の子達は楽しそうに海里くんに会話を振る。
「ほんっと残念!」
「あたしもォ!」
「海里とクラス離れるなんてイヤー!」


