未玖とは何だか気があって、言いたい事を言い合える仲だ。
「潤、寮の方はどう?」
「あー…。それなんだけど、色々あって…」
「色々?」
そういえばまだ未玖に言ってなかった。
だから未玖はあたしが寮に入ったと思ってる。
あ!そうだ!
それで思い出したけど、あたし海里くんに新しいクラスが6組だったという事を伝える使命があるんだった。
この人だかりの最後尾に気だるそうに立ってるであろう海里くんに。
「未玖、ちょっと先に靴履き替えてて」
「え?」
「あたしはあたしの使命を果たしてくるから」
「は?」
じゃ、とあたしはその場に未玖を残して人だかりを逆に進んで行った。


