鏡の向こう


「泣き虫。」

そう言って、あのときとおんなじように、
私の涙をぬぐった。


当然、
クラスのみんなの注目の的。


呆然とするクラスメイトと先生の中で、
1人伊織だけ、ニヤニヤしていた。



「紗香、好きだよ。」

『私も……。』

「つーことで、
俺の彼女に何かしたら、
ただじゃおかねーから♪
よろしく♪」