鏡の向こう



焦げ茶の髪の毛、
ニキビとは無縁な肌、
通った鼻筋、
大きい瞳、
声……。


女の子たちはみんな目がハート状態。





その容姿を、
私が間違える筈がない。





『拓海……。』





バチッ。


目があった。


ドキンッ。


「…紗香。」

いつものように優しい笑顔で、
私の名前を呼んだ。


『拓海……っ、』

拓海がこっちに歩いてくる。