「なぁっ!!」
少し離れて話しかける。
「お前、最後なにって言ったんだ?風で聞こえなかったんだ!!」
これが俺の一番聞きたかったこと。
するとリンちゃんは、

「お兄ちゃんのことずっと好きでいるから、だからずっと待ってる!!」
言い終わったあとのリンちゃんの髪は風で揺れていた。
長い髪が波をうつ。
「今も、お兄ちゃんのこと好きか?」
「好きだよ。でも、過去のお兄ちゃんと今のお兄ちゃん、別人なんだもん!!麻川くんと出会えてよかったって思うよ。ありがとう。」
「それって遠まわしにフッてるな!!でも俺はずっとリンちゃんのこと好きだから!!」
言葉は聞こえなかった。
でも確かにリンちゃんの唇は
『ありがとう』って言っていた。