「恵摘、ちょっ…痛いよ!」 普段通りの恵摘に安心したくて、恵摘の少し速いペースで歩きながら小さな声で言った。 「…知るか、んなこと。」 「え―…‥」 初めて聞く口調に、あたしの頭の思考回路はカンペキに停止。 もーすぐ夏がやって来る6月。 それにしては大分肌寒く、大分哀しい空模様。 ねぇ、恵摘。 なに考えてんの? 怖いよ… 早く、振り返って笑って?