気が付くと俺は、 見慣れた場所へと立っていた。 日差しが強い。 確かさっきまでは、 もう日は沈みかけた夕方だったはずなのに それに、室内に居たはずだ。 一体何が…… 「……る、昴(すばる)!」 「えっ?!」 俺の名前を呼ぶ声に振り向くと、 そこには元秋(もとあき)――俺の好きな人が立っていた。 ……ああ、戻れたんだ。 俺が戻りたいと願ったあの日に。