「どうぞ、冷めない内に飲んで?」
西条先輩は私にそう言うと、自らも脚を組んでゆったりソファーに腰掛けると、白くて細長い指で上品にティーカップを持ち、音を立てずに紅茶を飲んだ。
その優雅な振る舞いや、組んだ脚の長さ、スラックスについたピシッとした折り目。
それら全てが、私には異次元の事に思える。
大輔のスラックスにも折り目ってあったかなあ。
いつも下げ気味に履いてて、膝から下あたりはヨレっとしているような気がする。
私は紅茶にレモンのスライスを浸し、砂糖は見当たらないけど、“砂糖をください”と言う勇気はなく、仕方なくそのまま口に含んだ。
西条先輩のようなわけには行かず、ズズっと音をさせて。
口の中に、紅茶の苦味とレモンの酸味が広がっていった。
西条先輩は私にそう言うと、自らも脚を組んでゆったりソファーに腰掛けると、白くて細長い指で上品にティーカップを持ち、音を立てずに紅茶を飲んだ。
その優雅な振る舞いや、組んだ脚の長さ、スラックスについたピシッとした折り目。
それら全てが、私には異次元の事に思える。
大輔のスラックスにも折り目ってあったかなあ。
いつも下げ気味に履いてて、膝から下あたりはヨレっとしているような気がする。
私は紅茶にレモンのスライスを浸し、砂糖は見当たらないけど、“砂糖をください”と言う勇気はなく、仕方なくそのまま口に含んだ。
西条先輩のようなわけには行かず、ズズっと音をさせて。
口の中に、紅茶の苦味とレモンの酸味が広がっていった。



