恋のレッスン〜先生は幼なじみ〜

「でも、もうそれはナシです」


え?

「どうして?」

私の疑問を春田先生が聞いてくれた。


「それは言えませんけど、元々出たくなかったですから……」


やっぱりそうなんだあ。
だったら、なぜ大輔は立候補しようとしたんだろう。


「池澤君なら当選確実なのに、もったいないわね……」


「俺はそんな柄じゃないし」




「はい、出来たわ」

春田先生は私のブラウスの破れた所を上手に縫い合わせてくれて、見た目ではほとんど分からなくなっていた。


「ありがとうございます」


と私がお礼を言うと、春田先生は私の耳元に口を寄せ、


「あなた達はお似合いなんだから、仲良くね?」


と言い、私は小さく「はい」と答えた。