――ねぇ雅樹くん。 あたしはまだ覚えてるよ。 一緒に行ったお祭りで、はぐれそうになったあたしの手を自分の手と絡めてくれたこと。 あたしが泣いていれば、いつも背中を優しく撫でてくれていたこと。 あの時から あたしはあなただけに恋をしてた。 初めて人を“好き”になった。