「お見合いの相手が私も知ってる人で、簡単に“白紙で”って言えないから悩みどころ」



「どんな知り合い?」



「んー…年に一度しか会わないけど、親戚だよ」



…“知ってる人”って;;

最初から親戚と言えば良かったじゃん;;

回りくどいって。



「ヤダ!椎都さんが取られたら困るの…っ!!」


「またトリプルデートするなら構わないんだけどね」



私たちも巻き込まれるのね。

必死に頷く梢の横で、私はゆっくりと一度だけ首を縦に振った。

最終的に決断するのは、紀斗さんだろうし。

私はしてもしなくても、どっちでも良い。

人がやたら多い場所じゃなければ。