「さようなら…」



私は涙を拭き、鞄を手にした。



「――憂愛さん!!」



帰ろうとした私の正面に立つ女性。

…え?



「「「灰田ーハイダー?」」」



紀斗さんたち3人が声を揃えた。

何せ3人の勤める会社の受付の人だから。



「今日、憂愛さんたちが見えた後、ここに来るって噂を聞いたから来ました…」



頭を下げる灰田さん。

私は紀斗さんに振り返った。

彼に何かあるのだろうか。



「私は…貴方の姉になります」



「…はい?」



いきなりそんな事を言われても、意味わからない。